神吉宇一
武蔵野大学准教授/日本語教育学会副会長
【学歴】大阪大学大学院言語文化研究所後期課程修了
【担当科目】多文化共生施策
【専門】言語政策/言語心理学/日本語教育学
【著書等】『文化、ことば、教育ー日本語/日本の教育の「標準」を超えて』共著 他
神吉宇一先生のインタビュー
2010年代以降、日本社会は本格的な人手不足に直面しており、産業の維持と発展、社会基盤の維持について、外国人労働者に依存せざるを得なくなっています。それに伴い、来日する外国人、在留する外国人も増加しており、現在では概ね総人口の2%程度を外国人が占めるようになっています。2019年には、外国人労働者を受け入れるための在留資格「特定技能」制度が開始されました。また、「日本語教育の推進に関する法律」の公布・施行により、日本国内の日本語教育は、共生社会の実現のために実施されることが目的として明確になりました。
本講義では、まず、受講者のみなさんの身近にある多文化、外国人の状況に関して情報交換を行い、各自の問題意識を整理します。次に、外国人受け入れ政策の変遷や現状に関するデータを見ていくことを通して、今、日本社会が置かれている全体的な状況がどうなっているのかについて概観します。そして、各地域で取り組まれている日本語教育の取り組みの具体的な事例をもとに、日本語教育と多文化共生の関係について考えます。最後に,冒頭で整理した各自の問題意識を踏まえてディスカッションを行い、私たちに何ができるのか、何をしていく必要があるのかを発表します。
私たちが市民として、また社会の一端を担う当事者として、外国人受け入れに関して何に取り組むのか、今後の日本社会のあり方と社会設計をどうするのかという観点から、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。
受講した方の声
とても興味深い内容で、自分がまだ知らなかった新しい情報がたくさんありました。日本語教師として、ただ日本語を教えるのではなく、どういう日本の状況、世界的状況から日本語教師が必要とされ、どういう役割を担う必要があるのかという事を学ぶ事ができて、これからの自分のイメージを作ることができました。